遺伝情報と遺伝子・DNAの関係

  • 遺伝情報は,生物の特徴や機能を決定する情報です.DNAに含まれていて親から子へ,つまり次世代へと受け継がれていきます.遺伝子とはDNAの中にある特定のセクションのことで,各遺伝子が特定の機能を持つタンパク質を作るための情報を提供します.それにより,私たちの体の特徴(目の色や身長など)や体の機能(代謝や免疫機能など)が決定されます.つまり,遺伝情報はDNAの中にあり,それが遺伝子によって具体的に表現されるということになります.
  • DNAとは「デオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic Acid)」の略です.DNAはすべての生物の細胞の中に存在しており,細胞の機能や形を決定するための設計図のような役割を果たします.DNAは,アデニン (A),チミン (T),グアニン (G),シトシン (C)という4つの塩基(ヌクレオチド)だけで構成され,AはTと,GはCとは水素結合という結合形式で対をなし,安定した二重らせん構造を保ちます.
  • DNA配列とは,これらの塩基がどのような順番で並んでいるかを示すもので,例えば,「A-T-G-C」や「G-C-T-A」といった配列です.この順番が変わると遺伝情報も変わります.
  • DNAの役割は遺伝情報の保存,体のあらゆる機能に必要なタンパク質の合成,細胞分裂の調節などで正常な細胞の必須な機能を維持します.私たちが誰であるか,どのように見えるか,そしてどのように機能するかは,すべてDNAに書かれた情報によって決まっているのです.

遺伝体質とSNP

  • SNPとはSingle Nucleotide Polymorphismの略で,DNAの中で1つの塩基が他の塩基に置き換わっている個所のことです.例えば,DNA配列の中で本来「A」であるところが「G」に変わっているような場合です.
  • 私たちの体質や特定の病気に対する感受性は,遺伝子によって部分的に決定されます.SNPはその遺伝子の違いを示す一つの例であり,人それぞれの体質や病気のリスクに関与しています.例えば,SNPによりある人は糖尿病になりやすい体質を持っているかもしれませんし,別の人はアルツハイマー病に対するリスクが高いかもしれません.

遺伝子検査を行うことの意義

  • 糖尿病,高血圧,心臓病,がんなど多くの病気は,食事や運動,喫煙習慣などの生活習慣(環境的要因)に関連する病気ではありますが,同時にSNP,つまり遺伝子配列のごくわずかの変化が遺伝的要因として大きく関与している病気とも言えるのです.
  • 病気になる前に遺伝的なリスクを評価しておくことで,あらかじめご自身の体質や病気のリスクを知り,生活習慣により注意を傾けて,適切な食事や運動,禁煙などを行い,早期に適切な予防策や治療法をすることでこれらの病気を予防したり進行防止をすることができるのです.しつこいようですが,日常生活の荒波にさらされている中,ご自身を守るためにご自身の体質や病気のリスクを知って予防しておくことは大変意味の大きいことと言えるでしょう.

サインポストの遺伝子検査

  • サインポストの遺伝子検査は,大阪大学医学部とOMRFIT STUDY(Study of Order-Made multiple Risk Factor Intervention Trial)の研究成果に基づいて開発,総計10,000症例以上のデータを有し,日本人,東アジア人を対象としたデータベースでは世界有数の規模を誇っています.

遺伝子検査をお勧めしたい人

  • がんや他の生活習慣病のご家族がおられるので,ご自身にも遺伝していないか心配な人
  • 遺伝体質そのものを知って早めに生活習慣病の予防対策をしていこうと思っている人

検査の種類

当メニューでは以下の4種類を受けることができます.

  • 生活習慣病遺伝子検査
  • がん遺伝子検査(男性用または女性用)
  • 遺伝子による心筋梗塞・脳梗塞リスク判定
  • 遺伝子からわかる肌予防プログラム(男性用または女性用)