認知症予防プログラム(MCIスクリーンング検査プラス)について説明します.
アルツハイマー病(AD)になる前を軽度認知障害(MCI)と言いますが,そのずっと前の症状のないプレクリニカル期から認知症は芽生えているのです.遺伝的要因以外にも様々な生活習慣や生活習慣病が認知症リスク因子として影響します.介入や治療すべき時期はこの頃と言えます.

医療保険が適応されるのはADと診断されてからになります.最近では,MCIの人に高額な薬が投与されることもありますが,適応者はごくごく限られています.また,バイオマーカーも開発されてきていますが,今のところかなり高額です.したがって,本来検査すべきステージではこの検査が有効になります.

ここでの検査は,栄養状態,脂質代謝,免疫・炎症,凝固線溶の状況を代表する9つの血液タンパク質の組み合わせで,認知症の潜在的リスクを推定する検査法です.この検査に異常があれば,その時点で生活習慣を改善し,生活習慣病があれば治療していけば将来の認知症リスクはかなり軽減ざれると考えられます.
